149.苫小牧(沼ノ端)から襟裳岬の走り旅(173Km)
北海道勤務も3年目に入り、道内のフルマラソン、ウルトラマラソン100Kmも走り、本来の体調に戻ってきた。
以前から計画を練ってきた苫小牧から襟裳岬への2泊3日のジャーニーランを決行。
北海道マラソン(フル)を走ってから、体調もよく、毎年東京で計画していたジャーニーランの
誘惑に駆られてしまった。
苫小牧から襟裳岬、広尾町、帯広もしくは釧路方面を目指したいところだが、
天気予報と仕事のスケジュールもあり2泊3日で襟裳岬を目指すことにした。
○9月9日(土)深夜0時10分スタート 目的地は静内(74.5Km)
苫小牧市外のJR沼ノ端駅を出発点とした。
始発に乗れば7時スタート、ゴールは夜の19時ころの予定となる。
この計画では、翌日まで疲労が十分取れない可能性がある。
さらに、疲れた体での日没後の走行は交通事故の心配もあるので、
時間の余裕をもって、あえて夜間走行することで日中の早い時間のゴールを目指すことにした。
(久々に夜間走行の気持ちよさを味わいたかったこともあるのだが。)
札幌駅23時のJR最終電車で、沼ノ端に0時5分に到着。
天候は雲時々晴れ。気温は17℃。満月が時より顔をだす。
ハーフパンツと上は半袖とウインドブレーカー。
デイバックには、必要最低限の着替えと、常備薬、傘、財布、カメラ、携帯などで、総重量は約2Kg。
念のため、熊鈴をつけ、小型ヘッドライトを装着。
駅前通りを南下して、国道から海側にあるJR日高本線沿いの道を進む。
時折月明りが頼りになるが、ヘッドライトがないと足元が不安。
眠いので、無理しないで歩きを入れながら、疲労がたまらないようにする。
タクシーや自家用車が時折走るくらいで、あたりは静寂。
30分も走ると、汗ばんできたので、ウインドブレーカーを脱いで半袖となる。
微風で寒さは感じない。
走るコンディションとしてはベストな状態だが、仮眠は3時間もとれなかったので眠気がさしてくる。。
日の出は、5時なのでゆっくりのんびり走ることにした。
海岸線では、波の音が聞こえて気持ちがいい。大型ダンプがたまに通るが、よけてくれるので安全。
長い直線道路では、車のライトがかなり遠くまで見える。
浜厚真の苫小牧港では(10Km地点)、貨物フェリーから荷物を下ろしている最中。
厚真川を越えて浜厚真駅を過ぎると、浦河国道235号線に入る。
週末の深夜なので、大型トラックは日中より少ないと考えて、夜間走行にしたが正解であった。
左側を進むが、歩道がないところでは、狭い路肩や白線の脇を進む。
トラックがスピードを落として、反対車線にはみ出しながら
かわしてくれるので、風圧をあまり感じず安全に走れるが、緊張しながらの走り。
22Km地点で鵡川町の入り口。ガソリンスタンドの自販機でトマトジュース給水。
歩きを入れながら、市街地を進む。シシャモで有名な街。
夜間走行は、どうしても歩幅が狭くなるので、思っている以上に日中よりペースダウン(7分半〜8分/Km)。
市街地を抜けたところのコンビニで給食。味噌汁で疲れた体を温める。
店員さんから、最近、えりもを目指しているランナーたちがいたそうだ(後で調べてみるとトランス蝦夷のランナー)。
自転車レースも通過するらしい。
5時、30Km過ぎで、朝もやの煙る中、日の出を迎え、門別競馬場前に到着。
辺りは一面牧場だらけ、厩舎が遠くに見える。
競馬場向かいの牧場では、毛並の良い競走馬が牧草をはぐくんでいる。
触れるくらいに間近で見るのは初めて。
5時50分40Km地点、沙流川を渡る。
歩きを交えたウルトラ走りで、疲労感は少ない。
というか、初日の疲労は翌日以降に効いてくるので、要注意。
今日のゴールは静内なので、昼頃に到着すればいい。
コンビニでサンドイッチの朝食。
日高門別に入ると、JR線と海岸線を右に見ながら進む。
51Km地点7時54分、慶能舞川では、被害のあったJR線路を見ることができた。
土台からえぐられ、橋も崩壊している。
(JR鉄橋が橋台ごと流されている)
節婦橋付近でも被害状況が確認できた。
節婦駅を過ぎたあたりで、お腹に健康の証があらわれたので、目立たないところですっきり。
でも、カラスの団体にしっかり一部始終見られてしまった。
新冠町の手前で、突然、サラブレッド大壁画が出現(10時20分、66Km地点)。
海岸線を離れ山間の道を進んだ高台からサラブレットの町、新冠町が見えてきた。
このあたりから日差しが強くなってきた。
10時56分70Km地点 道の駅 サラブレッドロード新冠に到着。
ハイセイコーの銅像がある。
ソフトクリームでエネルギー補給し、しばし休憩。
あと5Kmで今日のゴール静内。
日差しが指して暑くなってきた。(気温19℃)
歩きも入れながら、11時45分静内駅に到着(74.5Km)。
近くの食堂で、刺し身定食とビールで昼食。
駅前のとみおか旅館は13時半からチェックインさせてもらえることになったので、駅周辺を探索。
目的は、夕食の居酒屋探し。
チェックイン後は、風呂に入って、半袖ウエアを洗濯して、缶ビール飲んで夕方まで就寝。
18時に旅館出て、店探し。なぜかどこもかしこも混んでいる。カウンターだけの焼鳥屋にも入れない。
狭い範囲の飲み屋街を30分程うろついて、やっと焼鳥居酒屋で晩酌。
少し飲み足りなくてもう一軒スナックを考えたが、明日を考えて、21時過ぎに就寝。
○9月10日(日) 目的地は様似方面 アポイ山荘(64.5Km)
5時半起床。天気予報通り,外は雨。数時間は続く見込み。気温15℃。
しっかり睡眠がとれた。筋肉痛も少ない。
階段の上り下りがほとんど苦にならないので、体調は良好。
朝食は6時から、ご飯を3杯おかわりしてエネルギー満タン。
6時半に旅館を出発。
上下ウインドブレーカーで体を濡らして体が冷えないようにする。
小雨なので、傘をさして歩き始める。微風。
2時間くらいは、雨の中での歩きを覚悟したが、
静内川を越えて30分ほどで、小雨が止んだり降ったりしてきたので走り始める。
下のウインドブレーカーを脱ぐ。
腿、ふくらはぎ、腰、背中に異常はなし。山越え、峠越えがない分、体の負担は少ない。
昨日より体が軽く感じられ、走りもスムーズ。
11Km地点の東静内の静内会所跡で7時45分。7分/Kmを切っている。
雨は上がった。上のウインドブレーカーを脱ぐ。JRは内陸に入っていくが、道路は海岸線沿いに進む。
風もなく、静かな潮騒が心地よい。
三石町に入る。
裕福な街のようで、きれいな歩道が整備され、道路も広く街並みもきれい。
お祭りがあるようだ。沿道で神輿の準備している。
日高三石駅で給水。23Km地点9時20分。
たまに歩きを入れるが、7分/Km台で走って入るので本来の走り旅のペースになってきた。
JR線路は再び内陸に向かう。道路は海岸線を進み、町はずれの体育館前に到着。
神輿のスタート地点のようで、大勢の人数と神輿などの行列が準備している。
曇空が明るくなってきた。
29Km地点10時15分(気温18℃)、暑さを感じながら道の駅三石(三石海浜公園)に到着。
定番のソフトクリームでエネルギー補給。
牧場の親子馬に声をかけながら走ると、変な人間と思われたのかしばらくこちらを見続けられた。
30Km地点で浦河町の区堺に到達。
36Km地点11時13分東栄漁港前に子授かり地蔵があった。
晴れ間が出てきて、風もなく走りやすい天気になってきた。
休日なので、トラックは少なく自家用車のほうが多い。
車道が狭く、歩道のないところは、路肩ぎりぎりを走って、トラックによけてもらう。慎重に進む。
浦河町の手前で40Kmを越えた。
浦河ダムに続く481号線で42Km地点11時54分。(7分/Km台のペース)
浦河町役場近くのラーメン屋に入る。
味噌ラーメン、チャーハン&ビールの昼食定番セットでガッツリエネルギー補充で30分ほど休憩。
JR浦河駅、浦河神社をすぎると、町の中心部の交差点で浦河国道の終点となる。
東町で帰りの札幌行道南バスのターミナルを確認する。
ここからしばらく、海岸線、JR線を見ながら走る。たまに歩きも入れるウルトラ走り(8分/Km台ペース)。
天気も良く微風、潮騒を聞きながら贅沢な走り旅。前方には海岸線がきれいに見える。
帯広に抜ける、野塚国道を過ぎ日高幌別駅を過ぎると50Km地点(13時32分)となる。
様似町のエンルム岬が前方に見える。
様似町の区堺52Km地点を通過。
ろうそく岩、塩釜トンネル、親子岩など風光明媚なところがあります。沿道のコスモスがきれい
様似町役場では、かんらん岩が陳列展示59Km地点(14時53分)。
様似町市街をぬけると海岸線から、アポイ岳がみえる。ゴールは、あと5Kmほど。
快晴の中、国道からアポイ岳登山道にはいる登り坂をすすむと、
今日のゴールアポイ山荘に到着(64.5Km,15時41分)。
快晴の空とアポイ岳、景色が良い。
入浴後は、今回楽しみにしていた日の入を、17時45分敷地内のパークゴルフ場から眺める。
直前に、町内放送が震度4の地震を知らせていた。隣接した牧場の牛が一斉に逃げ出した。
夕食の晩酌は熱燗で体をあたためて、9時就寝。
○9月11日(月) 最終日のゴールは襟裳岬(33.7Km)
筋肉痛は少なく、快適な最終日を迎える。ここ数年で珍しく本当に体調がいい。
天気予報は、午前中は晴、昼から曇雨。
気温13℃と涼しい。上下ウインドブレーカー装備で7時半に出発。
山荘前の下り坂では、ゆっくり歩いて筋肉を慣らしていく。
4Km先には日高耶馬溪がある。
昨年の爆弾低気圧か台風の影響なのか旧道はがけ崩れで通行止めの状況が国道から見える。
周辺の景色から耶馬渓の雰囲気を楽しむ。
ここから、順調に走り始める。6分/Km台のペース。
海岸線の景色は最高に気持ちがいい。晴、微風で気温は19℃まで上がっている。
9時57分18.4Km地点は、えりも町の灯台公園。
しゃくなげ公園の先に北緯42度の案内板がある。
この先の右の海岸線が、襟裳岬に通じる。残り11Km。
これまでのルートでは、自販機やコンビニがあり給水には困らなかったが、岬までは全く給水箇所がない。
昆布取の小舟や昆布を干している光景がところどころでみることができた。のどかな風景。
岬に近づくと丘陵地帯を走る。自衛隊駐屯地内の航空のレーダーが見える。
先日の北朝鮮の弾道ミサイルを監視していたことだろう。
岬までの直線道路(11時33分、28.8Km地点)に入る。
歩きも入れながら最後のがんばり。
11時52分岬の入り口に到着。風の館、岬の突端周辺を散策して、1件しかない食堂が最終ゴール。
12時10分33.7Kmゴール。(総工程172.7Km 25時間26分)
海鮮丼とビールで乾杯。
13時27分のバスで様似へ向かい、乗り継いで浦河(東町)の道南バスターミナルへ向かう。
札幌行きバス(16時35分発)まで1時間半待ち。
そばには浦河高校。
その隣に食堂があり、15時半に開店。
つまみと日本酒で最後のお疲れ乾杯。店主夫婦に楽しく地元話を聞かせてもらう。
20時20分札幌に到着。
ジムのお風呂に入って、体は回復。
調子がいいのでススキノの行きつけの居酒屋で旅の報告かねて再び乾杯!!
今日は昼からよく飲みました。
これにて終了。
追記;翌日以降も体調も良く、筋肉痛も軽い。最高の走り旅でした。
来年は、広尾、帯広方面をめざしたい。