127.白山白川郷ウルトラマラソン
2011年10月の四万十川100Kmウルトラマラソン以来の2年ぶりの参加となる。
この大会は、第1回大会となること、一度は世界遺産の白川郷を刊行したいの思いから、参加を決意した。
月間走行距離は、ここ数年でかなり少ないほうだ。
仕事も忙しく、昼休みのジョグや土日もなかなか時間が取れずじまいが続いた。
5月の連休に、伊豆半島一周のジャニーランを敢行。
函南にある会社の病院で人間ドックを終えたのち、熱海、伊東、下田を回り、土肥温泉、戸田(へだ)までを3泊4日で192Kmを走破。
沼津まで予定していたが、スケジュールの都合で戸田からの残工程は、次回のお楽しみにした。
大会の特徴は、白山市の道の駅「瀬女」、標高約300m地点から、
白山スーパー林道に入り頂上の三方岩の標高1450m付近まで
標高差約1200mを上り、標高500mの白川郷までを下り、萩町城展望台を折り返すコース。
坂の上りが全体の40Kmを越える今まで参加した大会のうちで最もハードなコースだ。
おそらく国内の大会でも、野辺山高原100Km大会をしのぐのではないだろうか。
○今回の目標と対策準備
大会参加を決意したのは、4月早々。
久々の100Km大会なので、5月の連休にジャニーランで基礎体力の確認。
夏場の7、8月は、世界一周旅行と銘打って、都内の170ヶ国の大使館めぐりでスタミナ補強。
更に、坂の上り下りを重視した練習として、かつて野辺山高原大会前に必ず実施していた
学習院坂の片道400m標高差15m(1qで標高差37m、10kmで標高差370m)で練習を開始。
今回は学習院坂と同様の環境にある自宅近くの聖母(病院)坂を中心に8月から大会直前の9月中旬まで練習を重ねた。
走行距離は少ないものの、坂道訓練を重視した。
国内屈指の山越えコースなので、制限時間は16時間と時間はたっぷりなので、
前半上りは、折り返し後に向けたスタミナ温存、下りでの足の疲労の軽減がポイントとなる。
特に、折り返し後の上り(15Km)は、半分以上歩くことになるかもしれない。
タイムスケジュールは
スタートは午前4時なので、体力&体調の安全走行を重視して、
@
Start〜10Km(平坦コース) : 6分30秒/Kmペース 午前5時6分
A
10〜38Km(上り) :8分30秒/Kmペース 午前9時4分
B
38〜55Km(下り&白川郷折り返し)
:8分/Kmペース 午前11時20分(休息10分)
C
55〜72Km(上り) :8分30秒/Kmペース 午後1時56分
D
72〜ゴール(下り) :8分30秒/Kmペース 午後5時55分
ゴールまでを14時間以内(13時間55分)を目標とした。
○スタート前準備
大会前日の土曜日に空路で小松空港に向かう。
天候が良く、途中機内から白山が綺麗に見ることができた。
空港到着後、レンタカーで白川市役所まで受付を済まして、大会案内を聞く。
こじんまりとした会場であるが、地元の太鼓の披露や、大会を運営するサポート企業のランナーズウエルネスで、
テレビの24時間マラソンでランナーをサポートする坂本氏も挨拶していた。
スタート地点に向かう途中、途中観光めぐりで、白山比盗_社で安全祈願、一向一揆の里の近くで、二曲(ふとげ)城跡、鳥越城跡を見学。
遅い昼食は地元の太いそば(一揆そば)を食べる。
道の駅「瀬女」のとなりにあるかんぽの湯で一休みして、近場の食堂で夕食を済ませて、道の駅で就寝。
すでに20台ほどが車中泊していた。(午後8時)
〇午前4時スタート
午前2時の目覚ましで起床。トイレを済ませ、エイドで味噌汁、ごはんなどをいただく。
3時半には、着替えなどの荷物を預ける。参加者は、100Kmの部は750名。
白山比盗_社の神主さんの安全祈願のお払いの後、スタート。
真っ暗な中を、一度白山市内方面に向かい、6Km先で折り返し自転車道を通りながら、スタート地点(10q)にもどる。
沿道の声援を受けながら、暗闇を進む。
15Km地点手前の荒谷付近になると東の空は明るくなりはじめる。通行止めで車道を走れるので上り坂でも走りやすい。
左は尾添川。
一里の温泉(18Km地点)をすぎると、スキー場もあり、いよいよ山道に入る感じがでてきた。
左に見える川は蛇谷川に変わり、いよいよ渓谷に向かう。
スーパー林道入り口の料金所(19Km地点 午前6時55分 気温11℃)に到着。
ここまで、上りが続いてきたが体調は良く、疲労感は感じない。
遠くに、これからの難所の山が見えている。
しりたか滝(標高690m)、岩底の滝(標高710m)、かもしか滝(標高700m)を左に見ながら、
走りここから端を渡り川は右側に変わる。峡谷の真ん中に突入。
露天風呂のある親谷の湯、姥ヶ滝(標高790m)をとおり、ふくべの滝に到着(30Km地点 7時50分)。
エイドのそうめんが冷たくておいしい。
ふくべの滝では、大会事務局主催の記念写真を撮ってもらい。
ここから本格的に上りがきつくなってきた。前方に蛇行するルートが見えてきた。
坂道練習の成果の見せ所、ゆっくりとペースは7分半/qペース程度で上る。
歩きはじめるランナーが出始めた。ここの上りがウルトラランナーの見せ所となる。
ふくべの滝から1時間かけて標高1350mまで一気に登る(36Km地点 8時50分)。途中の気温は18℃。
暑くもなく、寒くもなく走りやすい。
快晴で、右側に白山連峰が綺麗に見える。
このあたりから、歩きを入れて、頂上まで約2Kmを進む。
トンネルを抜けて、三方岩駐車場に午前9時に到着(38Km地点)。スケジュール通りの到着となる。
着替えを済ませて、ここからはゆっくりと坂を下る。エイドの立ち寄り時間も短くする。
折り返しのトップノランナーとすれ違う。
スーパー林道白川郷出口(48Km地点 標高770m)に、 10時15分到着。
このあとも下りが続き右手には鳩谷ダムが見える。
高速道路を越えて、156号線に入り、トンネルを抜けて、萩町合掌つくり集落の南側入り口から、集落に入る。
天気が良いことから、観光客でにぎわっている。
写真をとりながら、ゆっくり観光気分で進む。
白川八幡神社で完走の祈願をして、明善寺、神田屋、和田家などをみながら、村内のエイドでそばを食べる。
こんもりとした坂道を上ると、萩町城跡の展望台で、村落が一望できる。
とにかく快晴で、絶景。大会記念の写真をとっていただく。
外国人観光客にも写真をお願いした(55Km地点、午前11時10分、7時間10分経過)。
展望台でソフトクリームを購入。毎回ウルトラでは、貴重なエネルギー補給。体力も気分をリセットできる。
展望台の裏山を下り、50Kmコースのゴールである白川小学校に入る(57.3Km地点 11時20分)。
エイドで、2種類のラーメンを食するも、食べきれない。
胃の調子も少しずつ疲労してきているようだ。
ここからは、上りが始まるが、ゆっくりと走るものの、スーパー林道の入り口手前の3Km手前の急坂は歩きを入れる。
62Km地点のスーパー林道の入り口に12時17分到着。ここからが、今回の大会の勝負どころ。
走れるところは少ないが、しっかりと歩かなければ体力も気力ももたない。
これまでのウルトラで培った経験とノウハウの見せ所だ。
走るランナーはほとんど見かけなくなり、坂を下ってくる50Kmコースのランナーから声援の言葉がかけられる。
歩きながら、どんどん抜き去る。この上り坂の80%は歩いたようだ。
70Km計測ポイントを13時44分に通過(9時間44分経過)。頂上前での平坦ま道をゆっくり走る。
頂上には、14時5分到着(72Km地点 10時間10分経過)。
予定より、10分遅れだが、思ったよりばてていない。
歩きで、ふくらはぎは疲労が溜まったものの、走りに必要な太ももは復活の兆し。
気温の差がる夕刻に備え、長袖のウエアーを腰に巻いてゆっくりと山を下る。
上りと違って、抜かれるほうが多いが、ここで無理すると、ふもとでまったく足が動かなくなる。
さらに、胃の具合は最悪になり、水も食料も
喉を通さなくなり、悲惨なゴールと夜の苦痛が待っている。ペースは7分半から8分/Kmと練習どおりのスピードで下る。
坂を歩いて下るランナーがちらほら出てきた。完全に足にダメージが来ているようだ。
気温は思ったほど下がっておらず、疲労による寒さは感じない。2.5Km毎の距離表示、エイドでの距離表示が遠く感じるが、とにかくがまんがまん。
日頃の辛いことや、これからのことを考えながら、体の痛みや疲れを忘れさせる。
ふくべの滝でまた記念写真をとってもらう。エイドの冷たいそうめんで生き返る。
80Km計測ポイントを15時07分に通過(11時間07分経過)。
スーパー林道出口86.5Kmポイントを15時54分に通過(11時間54分経過)。
ここから半分歩いては走るの連続。
90Km計測ポイントを16時27分に通過(12時間27分経過)。
坂は走り平坦は歩きが入る。
開けた景色の前には92Km一里の温泉に到着(16時47分)。
あと30分で日が落ちるらしい。
何とか、14時間以内のゴールが見えてきたので、上り以外の平地と下りはしっかり走る。
沿道の声援も増えてきた。95Km,97Kmの距離表示版がなかなか遠く感じる。
残り1Km手前の道の駅瀬女あたりは、すでに真っ暗で、交通規制が解除されて車の往来も多く、左端を走る。
疲れた足腰の痛みに、よくやってくれたと心から感謝感謝、目がうるうるとなる
小学校のグランドのライトが見えてきた。
さて、ゴールはどんな感じにしようかと気分をハイにして、さっそうと最後のスパート。
いつも体の痛みをこの時だけは感じないのが不思議だ。
13時間56分経過、午後5時56分。両手を上げてゴ〜〜ル。
完走メダルをもらってご満悦。
一路、宿泊先の松任駅近くのホテルへ向かう。車の運転が長く感じるが、安全運転で到着。
シャワーをあびて、夕食取らずに早めの就寝。
最高の天気の中で、白山、白川郷を堪能できました。
スケジュール通りのゴールができたのは経験とノウハウの賜物だ。満足満足!!