125.奥州街道(仙台〜水沢)
2010年5月の仙台道の続きを決行。世界遺産の平泉中尊寺へ向かう。
2012年の街道めぐり、第10弾です。
出張で盛岡へ行くことになったので、週末に移動を兼ねて、仙台から盛岡方面へ奥州街道を走ることにした。
2015年5月に宇都宮から仙台までの奥州街道、仙台道を走ってから丸2年ぶりの東北方面のジャニーランとなる。
紅葉のシーズンに入っているので、道中の楽しみとなる。
また、世界遺産に登録された中尊寺をめぐるのも今回の目的となる。
1.
仙台〜築館(11月10日 73Km 6:00〜16:00)
夜行バスで仙台に5時半到着。
日の出を待ちながら松屋で朝食をとって、盛岡方面の奥州街道出発点である
明治安田生命ビル前の芭蕉の辻へ向かう。午前6時スタート。
通りを北上し青葉神社へ向かい道中の安全を祈願する。
境内の石灯篭などが倒れている。昨年の地震の影響であろうか。
隣の光明寺をとおり、香取鹿島神社に着く。
入口には庚申塔があり、境内も街道の雰囲気が漂っている。
冷たさのある空気も澄み切っていて、天気も良くなりそうだ。
JR仙台線の踏切を越えてほどなく御仲下改取跡を通過し国道4号線を進み、
地下鉄南北線八乙女駅手前に仙台藩七北田刑場跡がある。
この先の交差点で道を間違えて、ユアテックスタジアムまで進む。
昨年の暮れにサーカーのチャリティーマッチで高2の次女と観戦したスタジアムだ。
試合終了後、二人で、香川、吉田、内田選手らの追っかけをしたところだ。
旧道へ戻り、七北田宿 市名坂に入る。7時を回り朝日がまぶしくなってきた。
バイパスの4号線を進み泉ICから旧道を経て再びバイパスに入ると、
旅人の喉をいやした大清水石盥(せっかん)がある。
20Km手前に黒川郡富谷町の富谷に入る。宿場の入り口に八雲神社の雰囲気がいい。
本陣、脇本陣跡をみて、旧道を進み、20Km過ぎで、いぼ取り太子堂がある。
4号線をすすみ、黒川郡大和町に入ると焼肉屋さんの前に吉岡宿の入り口にあたる一里塚が現存している。
セブンイレブンの吉岡宿の本陣跡を見て、伊達正宗の三男吉岡城主の伊達河内守宗清と
側室(飯坂の局)の墓碑がある天皇寺に立ち寄る。
吉岡宿を進むと、吉岡八幡神社狩り、赤門が朝日を浴びて綺麗だ。境内には沢山の庚申塔がある。
旧道を進み、昌源寺に向かう。ここから先の旧道は工業団地の造成で立ち切れになっている。
寺のそばにある首洗場(処刑場跡)も現存していない。
迂回して、大衡城跡では真っ赤なもみじがとてもきれい(30Km9:50)。
工業団地内をしばらく進むと、奥州街道旧道入口がある。
ここからの500m程が、今回最初の現存する旧道。足元は柔らかく、前日の雨でぬかるんでいるところもある。
舗装道路に入るとしばらくして駒田の一里塚がある。
雲泉寺、須佐神社を過ぎて、東国自動車道の手前の民家の裏に旧道が残っているが高速道路で分断している。
大崎市に入り、高速道路沿いに進むと、馬頭観音、伊賀一里塚があり、
40Km過ぎに三本木の道の駅に隣接している大豆坂地蔵尊に到着(40.5Km 11:15)。
旧街道を進み鳴瀬川をわたり、再び4号線を進む。
多田川を過ぎて、疲労感も出てきたので、ラーメン屋で早めの昼食をとる。
沢山の庚申塔がある稲荷神社がある。ここから、国道わきの旧道を進む。
祇園八坂神社に立ち寄り、古川高校前を過ぎて、JR線を越えると、黄色の銀杏がとてもきれいな西宮神社がある。
その隣は山門が立派な瑞川寺。境内の灯篭などが、壊れている。ここも地震の被害を受けていたようだ。
その先には緒絶橋(おだえのはし)があり、茶店が観光客でにぎわっていた。
大崎市役所のあたりが本陣跡で裏の小学校が古川城跡になる。
こぎれいな古川宿の街中で、甘いものがほしくなりソフトクリームでエネルギー追加補充。
50Km過ぎに沢山の庚申塔や馬頭観音がある八坂神社に着く(13:05)。
江合川を越えてすぐに旧道がるが、工事中で通行止めなので、迂回する。
4号線を沿いの脇道を進みながら追分石である聖骨伝眞居子の碑、延慶の碑(板碑)を見て、
本町裏清水を過ぎて栗原市に入る。
旧道をしばらく進み、60Km過ぎると、牟良佐喜神社、八幡神社があり、
その先に奥州善光寺がある。境内入口には、板碑北条塔がある。
旧道を進みローソンのあたりから、山間に入り、旧道の山道に入る。
小雨が降り始めて、気温も下がってきた。傘を差しながら走る。
旧道の山道は雨でぬれており、しかも、あまり整備されていないようで、足元は柔らかくぬかるみがある。
シューズもしっかり水を吸い込んだ。ただ、当時の雰囲気が十分残っていて、江戸時代を垣間見るようだ。
65Kmを過ぎると、時刻は午後3時をまわり空も曇っているせいもあり暗くなってきた。
築館IC手前で旧道の山道を抜けた。70Km過ぎで、築館市街に入ってきた。
薬師浄瑠璃殿では、紅葉のもみじが綺麗。築館宿の本陣(郵便局)を確認する。
午後4時を過ぎて、あたりも暗くなってきたので、夕食をスーパーで調達し、今日の宿に入る。
宿の前には、割上堰がある。
いつもなら、@6時頃宿入りであること、A峠越えなどコースが比較的平坦であったこと、
B走行距離が70Km程度であったことから、疲労感は比較的少なく、翌日に備えることができた。
2.
築館〜水沢(11月11日 66Km 6:00〜17:00)
今日はできる限り、盛岡に近づきたい。東京から探究便で送った荷物(スーツ、カバンなど)は、今日盛岡のホテル着。
予定では、花巻駅もしくは北上駅までたどり着きたい。中尊寺もしっかり拝観したい。
朝5時起床。日の出とほぼ同時に6時に宿を出る。気温は5度以下であろうか、とにかく寒い。
いきなり、方向を間違えて、2Km程は進んでから引き返すことになる。
半ばくらい中を、宮野宿のある皇大神社と隣の宮野代官所跡を見て、しばらく進んだ旧道には浦ノ沢遺跡がある。
空は明るく、今日は天気が回復しそうだ。渡り鳥の群れが空を北から南へ飛んでいく。
照明寺の前に、伊治城跡の説明版があり、冨野小学校の手前に跡地がある。
迫川の支流が何本もある中洲のような旧道を進み、根岸下橋をわたり、舗装道路に出る。
空は快晴で体も暖まり、ウインドブレーカー上下を脱ぎ、下はハーフパンツでエンジン全開である。
10Kmを過ぎで沢辺宿に入る。ほどなく、金成宿入り、本陣の公民館を見て、新鹿野方面の旧道に入る。
民家の敷地内に庚申塔がある。熊谷牧場を過ぎると下調べではわからなかった旧道の案内がある。
牧草内を横切り、現存する旧道に入る。藪の中の山道で、足元はふわふわで水気が多く、抜かるんでいる。
倒木もあり走りにくい。1Kmほど走って、高速道路沿いに出る。
金成パーキングの手前で旧道に入る。新鹿野の一里塚跡があった。
20Kmあたりで、有壁に抜ける新幹線のトンネルの入り口で、十万坂の案内板がある。民家の裏から旧道に入る。
1Kmほどで有壁宿に入る。宿場の手前の山の斜面に石仏群がある。時刻は9時20分。
有壁宿の本陣を見て、
観音寺を過ぎるとまた、林道になっている旧道に入る。
林道の途中から、旧道の案内板がある。肘曲がり坂を上っていく。小高い大地の山林を進む。
宮城県一関市に入るが、案内が途切れて、林道との区別がつかず道に迷う。GPSで確認してもわかりづらい。
周辺から車の音も聞こえないので、目的の道路が近いかどうかが判断できない。
迷いながら里を折り始めたが、奥州街道ではなく、一関街道に出た。
引き返さずに、そのまま、北上してJR線沿いに出る。豊吉の墓(旧一関藩の橋田原刑場跡)に着く。
日差しがなく、気温が下がってきたので、上下のウインドブレーカーで防寒対策をとる。
30Km地点を過ぎて、一関市内に入る。瑞川寺の紅葉がきれいなので、境内に立ち寄る。
祥雲寺、追分地蔵、はさま街道起点、願生寺、保性院をめぐり、一関駅前からの一関宿に入る。
商店街にお祭りの屋台が出ていた。疲労感がでてきたこともあり、焼きそば、豚汁などで早めの昼食休憩をとる。
30分ほど休憩して、磐井川の手前に松尾芭蕉が二晩宿泊をしたという「二泊庵」がある。
磐井川を渡った旧道沿いに、第二十九代横綱宮城山福松の墓の碑がある。
35Km地点を過ぎて山目宿で胡風荘跡がある。山ノ目駅前を過ぎて、間もなく4号線と合流。
40Kmをすぎると平泉駅に着く。平泉宿に入る。
吾妻鏡に出てくる伽羅之御所跡(きゃらのごしょ)、発掘中の無量光院跡を見て、
義経の墓のある義経堂をお参りする(13:00)。
卯の花清水を通過して、中尊寺の入り口にある弁慶の墓を見る。
熊野古道の紀伊田辺で弁慶生誕の地を訪れて以来の弁慶への再会である。
月見坂を上り、本堂や金色堂を参拝する(45Km地点13:20)。
境内は観光客でにぎわっている。紅葉を綺麗で写真をとる観光客が多い。
弁慶餅やソフトクリームでエネルギー補給し、しばし中尊寺で1時間ほど休憩する。
北側の山道をおりると地蔵がある。北上川と衣川の合流地点が弁慶の最後の地である。
衣川を渡り、旧道から平泉前沢ICを越えて奥州市(前沢)に入り、本浄寺坂を下って、
白鳥神社前を通り、前澤藩邸跡の前沢小学校に着く。時刻は午後3時半、あたりが暗くなってきた。
前沢宿本陣前を通過し、55Kmを過ぎると4号線に出る。
途中脇道の旧道を進みながら60Kmあたりで水沢区真城の旧道に入る。
暗くなってきて、足元が見えづらくなってきた。真城一里塚跡ではあたりは完全に真っ暗。
水沢公園あたりの旧道で終了。
水沢駅に向かう。17時過ぎに到着(66.2Km)。盛岡行きが1時間後なので、駅そばで腹ごしらえ。
19時過ぎに盛岡へ到着。
東北方面は終日走るには、気温も低く時期的に最後のチャンスであった。
紅葉シーズン後半であるが、十分に紅葉狩りを堪能できた。
現存する旧道(山道)は少なく、あまり整備されていないようであるが、
江戸時代の雰囲気を味わうことができた。
更に、世界遺産の中尊寺金色堂を見ることができたのは、大きな収穫。
神社仏閣では、灯篭などが崩れており昨年の東北大震災の被害がいまだ残っていた。
今年の街道めぐりはこれにて終了。