113.熊野古道(新鹿〜伊勢神宮)
2011年7月、140Km走破。全工程500Km。
昨年の8月以来の熊野古道。折りしも、出張で和歌山を訪れたので、
週末を利用して三重県の新鹿からゴールの伊勢神宮までを走破することにした。
○1日目 新鹿〜八鬼山〜尾鷲(11:00〜19:15 27.6Km)
正午前に新鹿駅に到着。浜辺の国道に出ると巡礼道標がある。
すぐに峠越えが始まる。石畳のある逢神坂峠、二木島峠を行く。
峠の入り口に竹に杖が沢山おいてあるので一本借りる。あいにくの曇り空。
時折小雨も降る中、坂の下りは滑らないように慎重に進む。
江戸時代の雰囲気がぷんぷん匂う雰囲気は抜群だ。
二木島湾を望みながら下るとキリシタン燈篭がある。たっぷり流した汗でのどが渇く。
二木島町の港のスーパーで給水。
再び、急な峠越えが始まる。
曽根太郎坂、甫母峠、曽根次郎坂と続く。とにかく石畳が滑るので坂の下りは慎重に進む。
途中に旅の途中で力尽きた巡礼供養碑、農地をイノシシ、シカから被害を防ぐ猪垣(ししがき)がある。
ほうじ茶屋跡、次郎坂の鯨石、曽根の一里塚、石畳の石切場跡を過ぎて
南の関所跡がある向井地墓地に出ると曽根町の海岸に着く。
飛鳥神社には巨木が沢山ある。町内に六地蔵燈篭、首なし地蔵がある。
古川橋の手前で、線路を越えると庚申塚ある。この道は関所跡に続いているようだ。
午後3時前に額田町に入り、額田羽の五輪塔、猪垣を過ぎて羽後峠に着く。
雰囲気の良い古道が続く。額田湾が古道から見える。
三木峠を越えて三木里町に入る。名柄一里塚から西国一の難所といわれる八鬼山峠に向かう。
午後5時近くになり、今日の到達目標の尾鷲市までまだ、10Km以上ある。
日暮れは午後7時なのでぎりぎりになりそうだ。
籠立場をすぎるとTVで放映されている地元の反対の文字が木々の幹に白いペンキで書かれていた。
程なく急な上りの江戸道に入る。
途中尾鷲方面から来た観光客の団体とすれ違う。
杖を使いながら上るがきつい。汗が吹き出る。ぜいぜい言いながら挨拶をかわす。
必死に急な石段、石畳を登る。完全に登山道になっている。
十五朗茶屋跡で休息。足はガクガク。
荒神茶屋跡、三宝荒神石像、三宝荒神堂を過ぎると下りになる。
再び九木峠を上ると、道標がある。蓮華石、烏帽子石、八鬼山桜茶屋一里塚を過ぎて、
七曲がりの坂を下る頃には午後6時をまわった。
山中は薄暗くなり始め、足元も見えづらくなってきた。尾鷲市内まであと4Km程だ。
籠立場、八鬼山の町石を過ぎると、尾鷲市内が見えてきた。
50mほどの石畳は、年間降水量4000mmに耐えられるそうだ。
行き倒れ巡礼供養碑を過ぎると程なく市内に入る。
民謡尾鷲節「道標歌碑」、袖片橋・石経碑・道標・庚申祠がある。
旧宿場の雰囲気のある通りを過ぎて、午後7時過ぎに今日の宿ビジネスホテルフェニックスにつく。
峠越えが続き、汗もたっぷりかいたので、さすがにバテた。
コンビニで買ったスパゲティが全部食べきれず、早めに就寝。
今日の収穫は杖が役に立って、登りだけでなく下り坂のすべり防止に有効だった。
○二日目 尾鷲〜荷坂峠〜紀伊長島〜伊勢柏崎 (6:30〜17:00 47.3Km)
6時起床。今日は宿は紀伊長島だが、なるべく先まで進んで距離を稼ぎたい。
北川橋を越えて馬越峠に向かうが、途中道を間違える。まだ、疲れが残っているようだ。
津波供養碑、馬越不動尊を過ぎると石畳が続く。
桜地蔵、茶屋跡が馬越峠、ここから下り、馬越坂の一里塚、夜泣き地蔵尊を過ぎて紀勢本線、
銚子川にでる。しばし銚子川沿いに進み、JR船津駅を過ぎる。
小高い始神峠を越えて三野瀬のリアス式海岸が見える。その向こうには、小さな島見えて景色がいい。
今日は天気が良いので、沢山の景色が楽しめそうだ。
江戸道を進み、茶屋跡を過ぎると、海岸線に出る。熊谷道の三浦峠を越えて、道瀬海岸にでる。
日差しがきつくとにかく暑い。こまめに給水を行う。とても梅雨時期と思えない暑さだ。
若宮海岸、展望台を進むと海岸線の小島がきれいだ。
正午過ぎに平方峠に向かうがここで道に迷う。一石峠はなだらかか坂道で歩きやすい。
しばらく国道沿いを進み一里塚の石仏をすぎると、紀伊長島町に入る。
汗をかいてのども渇き、ドライブインで昼食。冷やし中華を食べる。冷たい水がおいしい。
長島トンネルを越えると紀伊長島。街中を抜けて旧荷坂道に入る。伊勢神宮までの最後の難関である。
茶屋跡を過ぎて沖見平らできれいな海を望む。荷車を押して上ったとはいえ細い道が続く。
ところどころに旧坂の江戸道が交差する。峠は結構開けていて、茶屋や石仏がある。
峠をくだった麓には、三体の祠(庚申堂、地蔵堂、観音地蔵堂)がある。
しばらく国道沿いに走り梅ヶ谷駅、大内山駅に着く。杖を使うのは、ここで終了。
手前に中組常夜灯があった。まだ、午後3時半前なので、電車の時刻を考えて、
6Km先の伊勢柏崎まで行くことにした。
川沿いの道を進むが、途中整備されておらず、藪状態なので断念して、国道へもどって進む。
不動野橋に一里塚がある。しばらく川沿いに進み午後5時に伊勢柏崎に到着。
今日の宿は民宿浜千鳥。迎えの車で5分ほどかかる。夕食まで洗濯をして、1時間ほど休憩。
TVによると今日梅雨明けしたそうだ。今日の気温は36度を越えていた。
今日は暑さでバテタ。筋肉痛で階段がつらい。夕食は地元の魚(さしみ、煮付け)で満足満足。
○三日目 伊勢柏崎〜女鬼峠〜田丸(8:30〜17:55 47.1Km)
今朝は、6時過ぎに起床。筋肉痛は無事解消。8時の電車で伊勢柏崎に向かう。
今日は出来る限り伊勢に近づきたい。45Km先の田丸駅が目標。8時半スタート。
阿曽駅を過ぎたありに阿曽観音堂がある。平坦な道を進みながら滝原駅を過ぎると滝原宮に着く。
境内は広く質素な神社。今日最初の三瀬坂峠に向かう。入り口にあった杖を借りることにした。
細い山道を進む。峠には11時前に到着。下り道は軽快に走るも、麓は暑すぎる。しばし歩きが入る。
三瀬谷駅を過ぎて、慶雲寺の手前に三瀬砦跡がある。
ここの水道で頭から水をかぶって頭や体を冷やす。
八柱神社、観音堂跡、を過ぎて、緩やかな定峠(坂瀬峠)を上ると国道に出る。
12時を回ったので、ドライ分で昼食。今日も冷やし中華。紀勢自動車道沿いに進む。
道中安全祈願地蔵、弁慶岩、倭姫腰掛岩、道標地蔵を通過して旧道に入り川添駅を通過する。
宝泉寺の六字名碑・常夜灯、眼鏡橋、山ノ神・庚申様を過ぎて、
紀勢本線沿いに進み栃原駅近くで旧道に入る。栃原と神瀬の境界はバカ曲がりというらしい。
ここから田丸駅まで15Kmほどある。柳原橋の先にお滝さんと呼ばれる小さな滝がある
。柳原観音千福寺までは西日があたり暑いので歩きが続く。給水もこまめにとる。
街中の道標を確認して、最後の峠、女鬼峠を目指す。西の空には黒い雲があり、雷が鳴っている。
峠道に入ると如意観音像がる。峠には大きな岩がむき出しできり通しになっていて、昔の風情を感じる。
少し涼しくなってきた。茶屋跡を過ぎて、高速道路をくぐると里に出る。
案内板によると伊勢まで16Kmである。
栃ヶ池の傍を抜けて大日堂永昌寺、野中の道標を確認して、田丸を目指す。あと8Km程になる。
巡礼道引観世音碑石仏庵を過ぎる。
接待地蔵、常夜灯、道標、豊富地蔵、庚申地蔵がつづき、ついに田丸に入る。
田丸城跡を見て伊勢本街道と伊勢路の分岐点の道標をみて午後6時前に田丸駅に着く。
駅前には熊野街道出立の街の碑がある。
田丸から伊勢市まで電車で移動。今日の宿は駅前のビジネスホテル。今日もバテタ。暑さがきつかった。
今日の最高気温は30度を越えていた。
洗濯をしてコンビニで夕飯を買い、ビールを飲むが半分しか飲めない。
○4日目 田丸〜伊勢神宮(内宮)〜五十鈴川駅 (6:30〜11:50 18Km)
田丸駅を6時半に出発。鉄道を横切って汁谷川のたもとに山之神が祭ってある。
田園地帯を抜けること一気に気温が上がってきた。8時前に宮川の柳の渡し場跡につく。
伊勢市内に入り、8時過ぎに伊勢神宮外宮に到着。日曜日なので、観光客も朝から来ている。
猿田彦神社は賑わっている。ここから内宮はもうすぐのところだが、とにかく暑い。
参道に入ると、ふらふらしてきたので、ソフトクリームを食べてしばし休憩。熱中症の手前に来ている。
参道は昔の雰囲気を残した綺麗な町並みになっている。
生気をもどして、いざ内宮へお参り。とにかく観光客が多い。宇治橋をわたるとしばらく歩く。
9時50分、参拝の前にゴールを記念して写真を撮ってもらう。
伊勢神宮のお守りを購入する。
昼食は参道のお店で海鮮丼とビール。
一息ついて、近鉄鳥羽線五十鈴川駅(11時50分)から名古屋経由で一路都内の自宅へ向かう。
昨年の6月にスタートして大阪天満橋から、熊野三社、伊勢神宮までの走行距離は
丁度500Kmに達した。
昨年6月、7月、8月、今年7月の計4回で、延べ13日かかったことにある。
今回、峠越えには、登山用のスティックが効果的なことを実感した。
残りの経路は、大辺路(田辺〜串本〜那智)の114Km、
大峰奥駈道(高野山〜本宮)の約100Kmを残すのみ。次回の挑戦は今のところ未定。
10月は抽選にあたった四万十川ウルトラマラソンに出走。
いずれ走りたい四国お遍路ルートの予行演習となる。