107.仙台道(仙台〜白河)&奥州街道(白河〜宇都宮)の走破

20105月の連休は、東北方面を走ることにした。

仙台道178Km、奥州街道85Kmを走破。

 

1月に、日光街道の未走破区間であった、千住から幸手48Kmを走破したので、今年の街道めぐりの目標であった、みちのく方面の奥州街道、仙台道(仙台〜福島〜宇都宮)を5月の連休に計画を立てる。

天気予報によると久々に連休中は天候に恵まれている。

家族サービスの合間を縫って430日からスタート。

 

夜行バスで、仙台駅に朝6時前に到着。松屋で朝食にトマトカレーを食べて、「芭蕉の辻」と言われる仙台道の終点から出発することにした。

○第1日目(430日 晴 気温18℃) 仙台駅〜福島 (6:0018:00 85Km

晴天で、気温は10℃くらいか、暑くなりそうなので、「芭蕉の辻」で、ハーフパンツ、長袖シャツの上にロングジャケットに着替え、ランニングバックを背負っていざ出発。朝6時過ぎとはいえ、平日なので、通勤のサラリーマンがちらほら見える。

今回のジャーニーランがスタートした。

市内の柳町大日堂、二十三夜堂、東漸寺(旧仙台藩藩校)、丁切根跡をめぐり、 広瀬川をわたりJR長町駅、南仙台駅を過ぎて、名取市に入る。田高信号で道標を確認。増田宿の検断屋敷跡、薬師堂の古墳は、街道の雰囲気を残している。8時前なので、通学の小中学生が多くなってきた。

館腰神社、弘誓寺、道祖神路道標を見て、岩沼市内に入る。竹駒神社は荘厳な雰囲気。東武神社で馬頭観世音(天保、文政)や庚申塔を確認。阿武隈川沿いにきて、道を間違えたが、偶然に岩沼市指定文化財の渡邉庭園を見つける。柴田郡柴田町の一里塚周辺の河川敷は桜並木がきれい。雪の消えない蔵王山が見える。

船迫館跡付近でも道に迷い、地元の人や、散策中の観光客に教えてもらう。住宅内の二本杉の一里塚、 韮神山麓の馬頭観世音や庚申塔、如意観音堂、大高山神社の明治期の道標を確認して、刈田郡蔵王町(宮宿)に入る(47Km 12:05)。昼食はコンビニでサンドイッチ。

白石宿は、昨年仕事で来たときに、白石城や城下町をジョグ。中学校前の道標を確認して、斎川宿へ向かう。検断屋敷のある宿場内はあまり整備されていない。当時の雰囲気はイマイチなのが残念。宿場のはずれに、鬼ずるす石、庚申堂、田村神社、孫太郎供養碑、庚申塔、馬頭観音、あぶみすり坂と当時の面影が辛うじて偲ばれる(60Km  14:10)。

馬牛沼をすぎると、越河(こすごう)宿へ入る。越河番所跡、用明天皇妃がお産の紐を解いたという伝説の石を確認して、伊達郡の貝田宿に入る。貝田番所跡、果樹園内の庚申塔を見ながら進むと、果阿津賀志山の古戦場と防塁があった。 晴天で気温は18℃、あたり一面果樹園なので、すがすがしく気持ちがいい。

75Km付近で谷地一里塚をすぎて、桑折(こおり)宿内の桑折一里塚がつづく。伊達市に入る(80Km  17:00頃)。日も傾いてきた。何とか予定の福島市内には日没前に着きそうだ。

福島市内に入ると、西念塚で樹齢300年のケヤキを見る。大日堂を見て、松川橋を渡る。通勤帰りの車も多くなってきた。競馬場前を進み、ベイシアで夕食を調達し、今日の宿泊の福島リッチホテルに入る。バスタブで熱いお湯に入り筋肉をほぐす。缶ビール飲んで至福の一時。

今日は計画通りに走りきった。山道が少ないこともあり、12時間で85Kmなので、ほぼ100Kmマラソンペースで順調に進めた。

○第2日目(51日 晴 気温17.5℃)福島〜白河 (4:4519:00 93Km

今日は、昨日より長距離。しかも、白河に向け緩やかであるが登りがつづく。2日続けて100Kmマラソンのイメージ。日暮れ前には何とか白河に着きたいので、予定を早めて4時に起きて5時前に出発。朝は寒いので、下はロングタイツ、上には、半そでTシャツとロングジャケットを着る。

県庁前で福島城の大手門跡、土塁の碑を見て、信夫橋の柳町稲荷を通過。共楽公園入り口に馬頭観世音、公園を抜けて仲興禅寺で石仏郡を見る。ここで道を間違えてしまう。警察学校まで来て間違いに気づいて引き返す。

松川町に入ってからは、馬頭観音、石仏郡を見ながら、六地蔵道標と相馬道との追分灯篭を確認(6:40)。

気温も上がってきたので、ロングタイツを脱ぐ。コンビニでサンドイッチの朝食をとる。

このあたりは街道の雰囲気は若干あるものの、ほとんど住宅地に囲まれている。めがね橋のある西光寺を過ぎると二本松市にはいる。

鹿のなる石、円東寺と車屋跡と見ながら、市街地へ入る。高村智恵子の生家を見て、市中心部へ。

竹田見付、竹田坂、亀谷坂の馬頭観音、 幸田露伴ペンネーム誕生の地の碑がある。城下町の雰囲気があるが、残念ながらイマイチ。二本松神社は荘厳で、旅の安全をお参りする(24Km 8:00)。時間節約で二本松城の見学を断念。

馬頭観世音、薬師堂(石仏、石塔)を見て、安達郡に入る。安達太良神社は祭りの準備。安達太良川沿いに進み、本宮宿に入る。薬師堂で、庚申塔、戊辰戦争の碑を見る。宿場中央で普度供養塔道標があった。しばらく行くと積達騒動記念の地(百姓一揆)の碑があった。

このあたり(37Km付近 10:30頃)から、さすがに疲れが出てきた。歩きをいれる。これまでの8/kmペースを落とすことにした。私有地の畑道みたいところを通って庚申塔、馬頭観音を見て、郡山市に入った。

数少ない松並木の説明版。安積山の前をとおり、松並木、標石、馬頭観音、庚申塔と街道の雰囲気がある。

牛ケ池の碑、一里塚をすぎると郡山駅前の大きなビルが見えてきた。阿邪詞根(うぶすな)神社、曼荼羅の碑、石造浮彫阿弥陀三尊塔婆を写して、道標石を確認(50Km 12:30)。

郡山駅内で昼食は蕎麦。気温も上がってきており、しっかり休憩。日没まであと6時間、40Km

耳語橋と音無川を渡って、須賀川市に入り、二箇所の標石、馬頭観世音、筑後塚供養塔郡、白石坂、森宿一里塚、馬頭観音 庚申塔、須賀川駅南側の鎌足神社とつづき、釈迦堂川を渡って釈迦堂坂を登ると須賀川宿に入る。

NTTビル前の須賀川宿本陣跡は工事中。市内宿場町の整備をこれから進めるようだ。市界に立派な須賀川一里塚がる。やっと街道の雰囲気がぷんぷん匂う。

岩瀬郡鏡石に入り、笠地蔵(笠のある板碑)がある。中は暗くて見られなかった。外にも一体あり、久々に昔のお墓の板碑を見る。この地方には板碑が多いらしい(71Km 16:00)。日が傾きだしてきたので、歩きはやめてしっかり走る。ペースは7/Km。暑くはないが乾燥しているようで、水分補給は欠かせない。

西白河郡矢吹町に入る。馬頭観音、石仏を見ながら、五本松の松並木は街道らしくなった。庚申塔、馬頭観音を見ながら、ついに白河市に入る。土手の上に大きな武光地蔵。東北自動車道を渡ったところに、八幡神社と裏手に窟切岸城跡。愛宕神社を過ぎると残り4Km程。時刻は、18:20分。後15分ほどで日没。

遊女志げ女の碑あたりは、暗くて携帯電話のデジカメも限界に近い。仙台藩戊辰戦没の碑、石仏群は完全に暗い。編集してやって見えるくらいだ。暗くなったので、小峰城見学は断念。19:00JR白河駅に到着(93Km)。さすがに今日は疲れた。

今日の宿は、新幹線駅の新白河駅の近くなので、タクシーで移動。ホテル近くのコンビニで夕食を買う。ホテルまでの帰り道、疲労と寒さで悪寒がする。熱い湯船で疲れを取る。缶ビールで今日も至福の一時。9時に就寝。

 

○第3日目(52日 晴)白河〜大田原 (40012:00 40Km

朝起きれば足の痛みはなく、体調は良い。2日続けて100kmマラソンしたようなものなので、今日中に宇都宮までの約80Kmは無理がある。明日明後日は、家族サービスの日なので、ここでバテルと、と考えると空恐ろしい結果が待ち受けている。なので、無理せず体調見ながら、中断する決意で望む。少しでも時間を稼ぎたいので、4時起床。4時半に出発。さすがに寒い。手袋、ロングタイツ、長袖Tシャツとジャケット、雨用ジャケットを重ね着しフル装備。歩きながら体調確認し、24時間営業のお店で朝食を取る。納豆定食がうまい。

馬頭観音、白坂、一里塚を過ぎたあたりで、朝日に映える雪景色の那須岳が見えた(5:20)。とにかく歩きが中心。

馬頭観音、地蔵、二十三夜塔、大垣藩士戦士碑を見て、今回のメインイベント白河の関に到着。

白河二所之関跡、境の明神とあるものの、あまり整備されていないのが残念だが、今回初めて記念写真を撮る(7.2Km 6:04)。

関を越えると栃木県。那須郡那須町に入ると、地蔵、馬頭観音、道標、泉田の一里塚、座り地蔵、板屋の一里塚、諭農の碑、地蔵、新町地蔵、芦野宿、河原町地蔵、石仏群、馬頭観音、夫婦石の一里塚、夫婦石、夫婦石神社を見て回る。一里塚はどれも街道の雰囲気を残している。特に板屋の一里塚は雰囲気がいい。

那須塩原市に入り、馬頭観音、石田坂、寺子の一里塚 富士見峠の馬頭観音、富士見峠、浄泉寺の領界石 越堀宿、鍋掛宿、鍋掛神社、鍋掛の一里塚、馬頭観音と続く。宿場町はあまり整備されていないので、見栄えが良くなかった。鍋掛神社の雰囲気はまさに当時の面影が残っている感じがして今回の街道の中で一番落ち着いた。

31Km付近で10:30。大田原市に入り。気温はぐんぐん上がっているようだが、風が涼しく気持ちがいい。ただ、走るより歩くほうが多く。これが改善するとは思えない。足の疲労が大きくなっている。

馬頭観音、道標石、一里塚と続き、大田原市内が見えてきた。平家之豪族瀬尾家居館跡、脇東山道の碑があり、蛇尾川を渡ると大田原城跡についた。大田原城大手門跡を見ながら、宿場町に入る。時刻は正午になろうとしている。この先、街道沿線のJR駅は25Km先の氏家までない。到着はうまく行けば夕方近くになりそうだが、歩きとおすと楽しくないので、ここで中断することにした。

大田原からバスでJR西那須野駅に向かい。JR宇都宮駅で乗り換えとなる。下車して宇都宮餃子を食べて帰路に着く。車中は熟睡。自宅到着は4時半。就寝は9時。

○再開 第4日目(55日 晴)大田原〜宇都宮 (8:0013:50 45Km

2日間しっかり家族サービス。足の疲れも取れた。残工程45Km。目白駅を一番列車(435分)で西那須野へ向かう。西那須野駅735分到着。バスで大田原中心部へ。8時スタート。今日は暑くなりそうなので、メッシュ入り半そでとハーフパンツ。

大田原宿内で、那須与一像

本陣、問屋、高札場跡、新田木戸跡を見て、郊外へ進む。足取りは軽い。完全復活。馬頭観音、蒲虜碑、佐久山宿本陣跡、前坂を通過して、さくら市に入る(11Km 9:15)。

にこにこ地蔵、標石、道祖神を見ながら、喜連川に入る。つるが坂、石碑、道標石、本陣跡、道標石を見ながら、山間に進むところで、道を間違える。道祖神、弥五郎坂、早乙女坂古戦場跡あたりは街道を偲ばせる。一里塚、馬頭観音をみて、氏家に入る(28Km 11:20)。

道標石、馬頭観音、勝山城跡を過ぎて。将軍地蔵(そうめん地蔵)を見る。境内が整備されていないのが残念。昔の雰囲気がある(30Km 11:50)。

河内郡川内町に入ると、白澤の一里塚、馬頭観音、そして、白沢宿に入る。本陣跡、やげん坂 馬頭観音と今回の街道の中では一番整備された宿場町なのだが、昔の雰囲気はあまり感じられない。

1350分宇都宮駅に到着。

中断含めて、仙台道、奥州街道全工程は263Km。総じて、街道の保存、整備状況は良くないようだ。また、旧街道が残っていないので、当時の雰囲気を感じられず残念。天候に恵まれたことは大変良かった。

山坂が少なかったこともあるが、初めて、100kmウルトラマラソンペースで二日間走れたことは、大きな収穫だった。しかも体調が崩れなかったことは、かなり体ができてきたということなのだろうか。

次回は、街道の雰囲気を満喫したいので、三重県の熊野古道にしようか?

暑さ対策をしっかりとらねば!!