93.雁坂峠越え秩父往還141Km

初参加

峠越えはきつい!!22時間50分で永久ナンバ(113)獲得!!

1140分雁坂峠、後方に富士山が見える。

今年最後の大会かつ初参加となる雁坂峠越え秩父往還。

例年であれば、1週間後の甲州夢街道215Kmに参加するところであるが、長女の学園祭と重なったため断念。

また、36時間走、200Km越えのランにはまだ実力不足。大きな壁にぶち当たっている。

24時完走では170Km経験しているので、筋力や肉体的には、200Km超の走る力はあると思うが

、寝ないで24時間以上走りや歩きが耐えられない。

7月の2dayマラニック夜叉が池140Kmでは、一晩寝るだけで体調が戻ることを考えると、

当面は24時完走よりは、ジャーニーランが体に合っているような気がする。

そういう意味で、今回が24時完走当面お休みのための最後の大会になる。

今回の目標。

最近固定している目標であるが、24時完走かつ本格的な山岳登山ルートであることから、以下の目標を設定した。


@登山ルートは標高2000mに達するため、気温低下、天候不順に備えて、防寒&雨具を装備。

A平地は30度近くが予想されるため、塩分補給は必須で、塩を持参(エイドでは梅干中心)。

B後半は、夜間走行となり疲労から悪寒を感じることが想定されるため、上下の防寒対策要。

Cスタミナ配分必須のため、登りは無理せず歩きが主体(安全走行)。

装備品一覧

今回はじめて、装備を充実するため、ランニングバックは大きめのものに変更(約20L)。

財布、鍵 、地図(ビニールに入れる)、携帯電話、ヘッドライト、軍手(登山用)

レインポンチョ(防寒兼用)、トレーニングベスト、長袖シャツ、ロングタイツ、ビニール雨具、

着替用(下山時)靴下1足、タオル、ハンドタオル、塩(子ビンに入れる)、仕分用 ビニール袋(2枚)大小


大会前日

高速バスで甲府に着いたあと、前日受付して大会説明を聞く。

主催者から、コース設定として前半のフル、中盤の登山(日本三大峠のひとつ標高2083m)、

後半のウルトラ85Kmのウルトラのトライアスロンとの説明があり、

厳しい大会であることを実感。唯一安心できるのは、天候は晴れで登山には最高のコンディションであること。

参加者は約90名。ちなみに昨年の時間内完走率は、約40%台? 

時間内完走者には永久ナンバが与えられる。夜はなかなか寝付かれず、「女王の教室」最終回を見て寝る。

スタート〜道の駅まきおか(25.Km)〜雁坂峠登山口(40Km地点)

午前4時起床、甲府駅北口に集合。記念写真をとり、午前5時スタート。寒くも無く暑くも無くコンディションは最高。

山梨大学前をとおり、武田神社手前から東へ向かう。愛宕山の山腹で、富士山を望むことができた。

今日一日たっぷり楽しむぞ。

週半ばから夏の疲れなのか軽いめまいを感じていたが、なんとか心配なさそうだ。

今夏は夏ばて、スタミナ対策で奥武蔵ウルトラ含めて8月は300Km走破。

大会前日までの2週間は疲れを抜くため休養十分で望んだ。

早朝の涼しさも有り、10Km過ぎからは少々ペースアップし、大会参加している気分になる。

少しずつ登りが多くなる頃、チェックポイント1(CP1)の道の駅まきおかに到着(745分 25.5Km)

8時前ということも有りまだ暑さは感じないもののしっかり梅干で塩分補給。

直ぐ先には、武田の火のみ櫓がある。

笛吹川沿いに北上し、登り坂も多くなる。時々歩きを入れながら給水。自販機が点在するので助かる。

前方に山が見えてきた頃、廣瀬ダムに近づく。晴天で湖面は青緑できれいだ。ダムでトイレ休息。頭から水をかぶりすっきり気分。

ダムを過ぎてまもなく登山口のチェックポイント(CP2)に到着(938分 40Km)。

そばを3杯おかわり、梅干、おにぎり、コーラとたっぷり補給。

登山用にペットボトルに給水。10分ほど休息して、さて登山開始。

雁坂峠登山口(40Km地点)〜雁坂峠、峠小屋(47.Km)〜扇屋山荘(57Km地点)

舗装された林道を2Km進む。急勾配の坂があり、ほとんど歩き。経験のない本格登山にむけてスタミナ温存。

登山道に入ると直ぐ軍手をはく。峠まで4つの沢を渡るらしい。沢に近づくたびに、水の音が聞こえて涼しく気持がいい。

2番目の沢は、水量が多かった。危うくルートを間違いそうになる。

数日間雨が無いので何とか渡れるが、水量が多いと難儀な場所だ。

直ぐ先には水場の岩場をロープで伝って登る個所が有る。

4つ目の沢を渡ってからがきつい。S字に登る長くて急な細い道。途中、給水で一息つきながら登る。

すれ違う登山客から激励の言葉をもらって元気回復。

空が開けてきて、やっと森林限界が見えてきてからも長く感じた。

1137分、雁坂峠に到着。2時間かけて7Km、標高差約1000mを登る。晴天で富士山が見える。本当にラッキーな日だ。

登ってきたランナー同志で記念写真を取り合う。5分程休息して500mほど下って小屋に着く。

途中つまづいて転びそうになり危ない、危ない。小屋で冷たい沢の水やカップラーメンを食べる。しばし15分ほど休憩。

本格的登山は、夜叉が池に続いて2度目であるが、本当にきつかった。(注:下りはもっと大変なことになった!!)

エイドスタッフが事前に運んだ荷物がかなりあるという。

ランナーとしてここまで登ってくるのも大変なのに荷物を運ぶのはとてもまねできない。スタッフに感謝、感謝。

正午を少しまわってから再出発。

下りも急で、足場が悪く、道も細い、片側は崖、ふらついて歩いていると落ちてしまうのではと危険を感じながらの歩行。

ときおり、ガラ状態の沢、丸太をわたる沢や前に通ったひとの足跡をたどるしかない個所が何度もあった。

前後にランナーや登山客も無く、事故に遭遇したら確実に終わり。

ずっと緊張しながら足元に注意して進む。静寂の中を1時間以上も歩いているのになかなか安全な山道に入らない。

1時間ほど歩いてやっと道標に遭遇。峠から3Kmほどしか進んでいないことがわかる。

少し平坦なところは走りをいれるが、枯れ木や石などで点在していてとにかく危ない。

靴のなかに木屑や小石などが入り込み、休息がてら取り除く。

植林地帯に入ると、急坂のS字道。足元がすべらないように慎重に下る。とても長く感じる。

ふもとの国道がやっと見えてきた。走りぬいていく2人のランナーに道をゆずる。真似出来ない。

国道に出てから山道で汚れた靴下を履き替える。まもなく、CP4扇屋山荘(57Km地点)に1357分到着。

 

無事下山で安堵。

扇屋山荘(57Km)〜川越(141Km
扇屋荘エイドで塩分補給とコーラで生き返る。ここから85Kmのウルトラ。気分を切替えて、新たな気持で迎える。

全般的に下りが多いので、坂道にひっぱってもらうようだ。

100Km地点の正丸トンネルに9時頃目途に到着すれば、時間内ゴールの実現が見えてくる。

昼間でのスタミナ温存で夜間を乗り切る作戦だ。

沢の水を補給し、エイドをでて直ぐに栃本関跡で写真をとる。

前を走る女性ランナーがいるが、エイド以外でランナーに合う機会は少なくなってきた。

天気もよくなって、日向は暑い。下り坂は、計測すると6分台/Kmと坂にひっぱてもらっている。

秩父湖で入江氏の施設エイドで冷たいサイダーをいただく。

秩父湖から荒川沿いに下り、右にロープーウエイが見えてきた。

CP5の秩父市大滝大輪「増田屋」71.5Km1557分到着。

本日最高のビールをコップ2杯おかわり。背骨がシャッキとした。

蕎麦、おかゆ、梅干としっかり休息。とにかくゆっくりペースでスタミナ温存。

夜間に疲労が出てくることを考えると慎重にいかねば。気温が丁度良いため、下山後着替えは不要。

エイドを出てからしばらく下り勾配がつづく。5、6人の集団が追い抜いていくがマイペース(7分/Km)を維持。

交通量も徐々に多くなってきた。川の向うから電車の音。秩父鉄道だ。

荒川橋、日野鷹橋あたりで車の渋滞。行楽帰りの車から尋ねられ、「甲府発川越で夜中も走る」と答えると、驚きと声援を送ってくれる。

夕方になり涼しくなってきたせいもあるが、元気が出てきた。

トイレ休息がしたくなって、「ぶしゅうひの」駅トイレで休息。もう少しで日が暮れる。

自販機前で休息するランナーが目に付く。「うらやまぐち」手前で日没。

登り坂手前のコンビニ前の明かりで場所を確認するがよくわからない。

後続のランナー(昨年1時間オーバーで準完走したそうだ。このあと最終チェックポイントまで同行することとなる。)

と地図を見ながらなんとか位置確認。

疲れがでてきた。いままでは、給水時に歩きをいれていたが、1Km程走っては歩きをいれるペース配分になってきた。

既にトータル80Km地点にきている。100Kmウルトラの場合には疲れがピークになるころだ。

信号待ちの歩行者に尋ねたりしながら進むが、90Kmエイドが待ち遠しい。なかなか着かなくて少々いらだつ。

CP6熊木酒店(90Km地点)1845分に到着。大会主催者や前のエイドのボランティアなどと再会。

10名ほどが休息をとっている。そば、くだもの梅干など補給し、これからの予定など確認するためしばし休憩。

約20Km3時間で到着したので、ペース配分としてはまずまず。事故、怪我などなければ歩きとおしてもゴールがみえてきた。

あとは夜中走行できるかどうか精神力の問題。寒さも感じず、気温も思ったほど低くならず体調はいい。胃腸も異常なし。

ここからは、下りは走り中心、平地は歩き中心に切替える。とりあえず正丸トンネルまであと10Kmだ。

休息(10分)したせいもあり、登りがはじまる横瀬川まではしっかり走る。中秋の名月の満月がきれいだ。

途中急な登りからヘッドライト装着。安全のため、左側走行にする。車のライトを背に浴びると進行方向が見やすい。

2、3名のランナーに抜かされたり追いついたりしながら一路正丸トンネルへ。右に見える「あしがくぼ」駅近くの自販機で給水。

残り3.5Km程か?歩きのペースを落とさないように気をつけて、正丸トンネル(100.5Km地点)に2035分到着。

大会からの注意事項としてトンネル内のわだちや足元の反射板が危ないらしい。

気持よく走るが、漏水や土砂のたまりで見難くなった反射板につまづく。本当に危ない。

危険なところは歩いて進む(今回のコースで一番危険)。トンネル通過後ゆっくりくだる。

ペットボトルの水で給水しながら歩き休息も入れる。CP7のロックガーデンカフェ(107.3Km地点)に2035分到着

トンネル入口からここまで(西吾野)7分/Kmのペースだ。

なんと、てつこ隊長としばらくぶりの再会。今回はダグラスさんとボランティア参加だそうだ。

このエイドはソフトクリームがおいしいというので早速注文。毎回ソフトクリームは体調回復に最適だ。

冷房の店の中で冷たい水をお代わりして、外に出たとたん、急に悪寒が走る。

ついにきたぞ! 疲労が出てきた証拠だ。直ぐに、着替えを開始。体の汗を拭いて上下長袖に着替えて保温。

エイドで10分ほど休息した。悪寒や胃の調子を落とすと精神的にも弱気になるので、しばしゆっくり走りながら体を温めることに専念。

15分ほどすると体も温まり、下をハーフパンツにもどす。とにかくゆっくりペース。疲れたら歩く。

男女2名のランナーとしばし、走っては歩くのペースで東吾野近くまでついて行く。

「武蔵横手」(約120Km地点)でトイレ休息。進路方向は空も開けており日高市市街地が間近であることが伺える。

残り20Kmあまり、最終CP8ももう少し、あせらず気持を落ち着かせる。

前方に信号あり、人声が聞こえる。CP8久保交差点(121.6Km地点)午前025分到着。

4、5名のランナーが休息していた。大ベテランのTさんもいる。

さすがに疲れたが、足腰に異常なし。梅干とおかゆで一息。コーラもおいしい。

あと20Km5時間かけて歩いても着く。問題は精神力。午後2時あたりから体は生理的に動かなくなるのが普通。

とにかく眠くなるし、眠くなると歩きもいやになってくるからウルトラは難しい。

10分ほど休憩して、エイドを出てからしばし、歩く。JR高麗川駅の陸橋をわたる。川越日高線を東へ向かう。

1時間ほど歩いて(およそ5Km)からであろうか、睡魔が襲う。ここがふんばりどこだ。あと15Km3時間も歩くのかと思うとつらい。

我慢ができなくなるとペースを乱すので、眠気覚ましに、ゆっくり走りを入れる。あくまで気分転換と脚力の具合を見るのには丁度良い。

100m走っては歩くの繰り返し。眠気はふっとび、走りにリズムが戻ってきた。足腰に異常なし。

疲れきった足取りのランナーを3名ほど見かける。あたりは真っ暗で200mおきくらいの街路灯だけが明るい。

圏中道を越える。130Kmを越えた。関越道も越えると町並みが明るくなった。135Km地点だ。

元気なランナーが追い抜いていく。ここまでは何とかウルトラ走りでたどり着く。

ここから歩きが中心になる。あと6Km、歩いても1時間ちょっと、無理するなと言い聞かせる。

それでも、2Km先の入間川までが長く感じる。

入間川から残り4Kmほどか。JR川越線を越えたあたりで、またまた元気なランナーが追い抜いていく。

「ゴールまでもう少し、がんばろう」と声を掛け合う。

連雀町交差点から蔵の町に入る。4時前には到着できそうだ。

観光地らしく、暗くても町並みがきれいで小さな店が立ち並んでいるのがよくわかる。

新河岸川の東明寺橋でゴールと間違い、あたりをうろつく。

疲れからか、少々混乱していると、後続のランナー(川越在住のランナーだそうだ)が着たのでついていくことにした。

次の交差点を曲がってゴールの「健寿村」が見えた。

全工程141Km22時間50分後の午前350分到着。

お風呂にはいって、疲れを癒す。湯上りの牛乳が冷たくおいしかった。

3時間ほど仮眠して朝9時西武新宿線で帰路につく。足が痛くて階段を下りるがつらかったが、徐々に回復。

高田馬場についてから回転寿司屋でエネルギー補給して元気回復。満足満足。

 

追記:
峠越えがとにかくつらかった。今回は天候に恵まれたが、悪天候ならば安全に帰還できたか不安。

次回参加は、熟慮してから決めよう。これまでで一番重い荷物を背負って24時間かつ100Km以上走れたことが大きな成果。

24時間や登山ルートは本当に過酷だ。当面、お休みにして、2day,3dayなどのジャーニーランで200Km超ウルトラを経験したい。

体調のいい状態でもっとウルトラを楽しみたい欲求にかられている。

自前で遠出して、古道、街道めぐり中心に考えてみよう。

東京湾一周、三浦半島一周、房総半島一周など来年春まで、楽しい計画をたててみるつもりだ。

次回は、 10月8日の会社の駅伝大会。仲間と楽しいジョグと昼間の宴会だ !!